A flavorful, nutritious Japanese fermented food – MISO
滋味深く、栄養満点の日本の発酵食品 − 味噌
炊き立ての白いご飯に、生卵や味海苔、そしてお豆腐やワカメが入った味噌汁。日本の家庭にはそれぞれの味噌汁のレシピがあり、朝一番に、1日のエネルギーを与えてくれる存在です。そんな日本の伝統的な調味料の一つである味噌。長野県は、日本国内で消費されている味噌の49パーセントを生産しています。長野県で作られる味噌「信州味噌」の多くは米麹と大豆で作られる「米味噌」であり、その起源は鎌倉時代(1185年頃から1333年まで)に遡ると言われています。長野県内各地には、様々な規模の味噌蔵が100軒以上点在しており、味噌作りは人々の生活に深く根付いてきたのです。
美味しい味噌の秘訣、それは長野の澄んだ水
長野県で美味しい味噌が作られる秘訣は清冽で澄んだ水にあります。県土を囲む高い山々を通して湧き出る豊富な雪解け水など、水資源に恵まれています。味噌が出来上がるまでには、大豆とお米を洗浄、浸漬、蒸すなどと実に水を使う工程が多くあり、水は味噌作りのあらゆる行程において重要な役割を果たします。また寒暖差が大きい長野県の気候も、味噌をじっくり熟成・発酵させることを後押しします。麹菌や酵母菌、乳酸菌の働きにより、発酵する味噌。これらの菌の働きにより、原料の大豆に含まれる良質のタンパク質から多くのアミノ酸、ビタミン類が生産されるほか、ミネラル類、炭水化物、脂質などたくさんの栄養成分を含んでおり、ビーガンフード・発酵食として世界中から注目を集めているのです。
長野の人々の暮らしに根付く信州味噌
日本の食卓に欠かせない味噌ですが、関東大震災(1923年)で壊滅的な被害を受けた東京に、直接被害を受けず地理的に近い長野県から信州味噌が支援物資として届けられたことから、長野県の味噌が日本全国に知られるきっかけとなりました。このように全国的に有名になった信州味噌ですが、長野の人々は今でも「この味噌を食べて育ってきた」というそれぞれの家庭の味があり、時代を経てもその味は大切にされています。例えばイタリアのメルカートに多様な産地のチーズやお肉があるように、信州味噌のバリエーションは地域ごとに実に豊かなのです。1000年以上前から長野県で作られる味噌は、日本が世界に発信する和食のレシピに欠かせない存在であり、これからも長野の人々の生活に根付いて作られ続けていくでしょう。