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Connecting Hearts – IIDA MIZUHIKI
「心」と「心」を繋ぐ‐飯田水引
贈り物を束ね結ぶ文化、水引
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贈り物のお菓子や花、それらを包むリボンや紙があまりにも素敵で、思わず取っておきたくなったという経験をしたことはあるでしょうか。日本には、贈り物を結び止めるために使う「水引」という飾り紐があります。この水引の色や形は、贈る相手の状況に合わせて変わり、魔除けや縁結びといった送り手のさりげない心遣いがこめられているのです。その起源については諸説あるものの、607年に遣隋使・小野妹子が隋国から帰国する際、平穏無事を祈願して献上品を紅白で染めた麻紐で結んで持ち帰ったことにより生まれたといわれています。 この水引の習慣は、宮中から徐々に人々の生活に浸透していきました。特に、美しい水、楮(こうぞ)、温暖な気候や内陸性の乾燥した風といった条件が揃った長野県飯田市では、水引の元となる飯田台帳紙の生産が盛んにおこなわれていました。この丈夫な紙を利用して、武士の髷を結ぶための紐である「元結」も飯田で作られるように。明治政府により断髪令が出されると元結の需要は激減しましたが、元結の技術は水引作りへと受け継がれ、現在でも飯田市は全国の水引のうち70%を生産する水引の一大拠点であり続けています。
水引に込められた贈り手の思い
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さらに時代が下ると、水引には様々なバリエーションが生まれますが、変わらないのは水引に添えられる送り手の気持ちでしょう。例えば、蝶結びの水引は、繰り返し結んで開けるという意味で出産や進学など、何度あってもめでたい慶事に使われます。一方で、解けにくい結び切りの水引は、葬式や結婚式、病気や災害見舞いなど、繰り返すべきではない慶事や弔事に使われ、それが一度きりで済みますようにという願いが込めれています。水引の「結び」は、まさに送り手と受け手の心を繋ぐのです。飯田水引は現在では、アクセサリーや工芸品、アート作品としても評判を呼んでいる。例えば、金属や木などと組み合わされた RITUAL the crafts のアクセサリーは、紐の色の組み合わせによってバリエーションがあり、メンテナンスをすれば、長く使うことができます。鮮やかな飯田水引の花瓶は、自然の草花の色合いとも相性がいいです。また、色も豊富で長さも自在に変えることができる飯田水引は平面・立体問わず、様々なアート作品への活用が可能。和紙から作られる一本の糸は、形や色をしなやかに変え、私たちの生活に彩りを添えてくれるのです。
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