The primary staple food – Nagano’s RICE
ふっくら、もっちり、旨みあふれる日本のお米
つやつやのお米をキュッと握ったおにぎりやふわっとお茶碗に盛られた白米。日本には「白米がすすむ」と言った言い回しがあるほど、白いご飯と他の料理・食材との組み合わせはとても大切です。おにぎりのように中に具材を入れて手軽に楽しむのもよし、肉や魚のおかずと白米を交互に口に運び、その味わいを楽しむのもよし。日本の食卓を彩ってきた「お米」は、古くは日本の政治・経済の基盤を担うとともに、豊作祈願のお祭りをはじめ様々な儀礼の起源になるなど、日本の歴史・文化を語る上でも欠かせない存在です。
制約を克服する人々の努力に支えられる長野県の米づくり
日本でお米の産地といえば、新潟や秋田、北海道が有名ですが、長野県は一等米比率が全国トップクラス。耕作面積こそ他県に及びませんが、良質なお米の産地といえます。病害虫の発生が少なく高品質なお米が育つほか、全国有数の長い日照時間と昼夜の寒暖差により養分が蓄積されるため、おいしいお米に育つのです。
一方で、冷涼で雨が少ない気候や山々に囲まれた斜面の多い地形など、長野県は米づくりにとって恵まれている土地とは言えません。水田や用水路の工夫、環境にあった品種改良などさまざまな制約を克服するための人々の努力が長野県の米作りを支えてきました。
例えば、山間地では「棚田」と呼ばれる山や谷間の傾斜地に階段状に作られる水田での米作りが行われており、山奥から水を引くための用水路が数多く整備されてきました。また、水温が低いと生育障害により収穫量が減ってしまうことから、雪深い地域や標高が高い地域では、雪解け水や冷たい川の水をいったんため池に集め、太陽の熱で適度に温めた上で田んぼに水を引き込むなどの工夫が行われてきました。このように、長野県では地域ごとに異なる自然環境に対応する稲作技術や品種の開発が進められてきたのです。
例えば、山間地では「棚田」と呼ばれる山や谷間の傾斜地に階段状に作られる水田での米作りが行われており、山奥から水を引くための用水路が数多く整備されてきました。また、水温が低いと生育障害により収穫量が減ってしまうことから、雪深い地域や標高が高い地域では、雪解け水や冷たい川の水をいったんため池に集め、太陽の熱で適度に温めた上で田んぼに水を引き込むなどの工夫が行われてきました。このように、長野県では地域ごとに異なる自然環境に対応する稲作技術や品種の開発が進められてきたのです。
2013年(平成25年)、長野県のオリジナル米「風さやか」が新たに品種登録されました。この新たな品種は、温暖化など環境の変化や、農作業の効率化に適していると言われています。清々しい空気のもとで作られることから「風さやか」と命名され、標高600-700m、気温28度以下、風通しの良い地形で栽培されていますが、長野県の風土を生かす先人たちが重ねてきた努力と工夫は今も弛まず続いているのです。あっさりとした食感でありながらも、冷めてももっちりとしたかみごたえが残る「風さやか」。しっかりとした甘みと旨みがありながらも、他の食材や料理の味をよりいっそう引き立て、互いの味を生かし合う「風さやか」は長野県ならではのお米なのです。
自然との共生と人々の工夫
世界で、日本食に対する興味や人気が高まる中、日本のお米は日本食そのものを支える重要な存在となっています。長野県の米作りに共通するのは不利な条件を克服するため、たゆまぬ努力や工夫が重ねられてきたというもの。自然と共生してきた長野県の人々の営みを象徴しているものと言えるでしょう。